懺悔

脳みそドリアのブログです

友達

先日、ヒトリエのボーカルwowakaさんが亡くなった。
僕にとってはボーカロイドPとしてのイメージの方が強い。
ボーカロイドが出始めた頃、僕は中学2年か3年生でど世代だったからだ。
そして、当時の思い出がいろいろと蘇ってきた。

正直、僕は小中学生時代にはいい思い出がほとんどない。
かといって悪い思い出ばかりというわけではないが、特別楽しかったな、嬉しかったなと感じたことは思い出せない。
そういうことを思い出そうとしても、モヤがかかった感じで思い出せない。
たぶん覚えてないんだろう。もしくはないか。
それは友達が少なかったというのが原因かもしれない。
別にいじめられていたわけではない。
仲良しグループができていく中で、自分はその輪に上手く入り込むことができず、誰かと仲良くなる機会を失っていったんだと思う。
それでも何人かは話したり、たまにゲームしたりするくらいの友達はいた。

その数少ない友達の中に、たった一人だけ、特別といってもいいほどの友達がいた。
仮に彼を早川くんとしておく。
早川くんは僕の一つ下の学年だった。
どうやって知り合ったのか、どう仲良くなったのかは忘れたが、同じ地区で家が近かったので何かの行事や近所の友達づたいで仲良くなったのだろう。
それが小学生2年か3年くらいのとき。
最初は彼の家に何人か友達が集まってワイワイ遊んだりしていた。
ドラゴンボールの格ゲーとかスマブラとか遊戯王とかデュエマとか。
いわゆる溜まり場だ。
でもそのうちだんだんと集まらなくなった。
けれど小学生なんてそんなものだ。
彼らの流行は原宿の女子高校生のよりも移り変わりが早い。
1ヶ月も経てば流行ってる遊びも遊び場も遊び相手も全然違うものになる。
それもあってか、いつしか早川くんの家で、早川くんと二人で遊ぶことが増えた。
小学校高学年になったくらいだろうか。
そしてその頃から早川くんは学校に来なくなった。
全く見かけなくなったのだ。
当時は理由がわからなかった。
学年が違うし、一つ下で仲が良かったのは早川くんだけだから知りようがなかったし、何よりどうでもよかった。
そんな偉い教育者みたいにすごい考えがあったわけでも、そんな野暮なことは聞かないのが友達だみたいな気遣いができたわけでもない。
ただただ、彼が学校に来たくない理由に対して興味がなかった、それだけだ。
電話すれば出るし、遊ぼうと言えばいいよと言ってくれる。
早川くんが学校に行こうが行かまいが、僕と彼の関係にはそれだけで十分だから、そんなことに関心を持てなかった。
まぁ実際はそんな話題よりゲームの話の方がしたかっただけだと思うけど。

中学に入ってからもそんな関係が続いた。
中学に入ってからもあまり彼は学校に来なかったようだ。
その時、同級生と合わなかったんだろうなと、なんとなく察した。
地元はど田舎なので小学校のメンツと中学校のメンツが変わらない。
だから、そうなんじゃないか、と。
でも、中学に入ろうと僕らの関係は変わらなかった。
休みになれば彼の家に行き、一緒にパワプロやモンハンをしたり、ニコニコ動画を見たりした。
楽しかったな。
毎日毎日同じようなことしかしてないのに、とても楽しかった。
ゲームのプレイ動画を撮ってみたりもした。
その動画データ自体は黒歴史の部類に入るかもしれないが、彼との思い出の一つとしては大切だ。
ボーカロイドもよく見たり聴いたりしてた。
後の米津玄師さんであるハチさんやらryoさんやら、それこそwowakaさんも。
当時流行ったゲームや動画、インターネットカルチャーはほとんど彼と触れてきた気がする。
だからwowakaさんが亡くなり、当時聴いてた曲を思い出し、そこから早川くんを思い出した。

僕の大学受験が本格的に始まってからはほとんど遊ばなくなり、高校卒業し上京してから、連絡すらとらなくなった。
彼と最後に連絡を取ったのも、顔を合わせたのもいつが最後だったのか忘れてしまった。
少なくとも5年は連絡を取っていない。
彼が高校卒業後どういった道を歩んだのかすらも知らない。
何も知らないまま、いつしかあの頃を忘れたまま時間が過ぎ、僕は社会人になった。
そして先日、wowakaさんが31歳という若さで亡くなったことがきっかけで、早川くんのことを思い出した。
僕は今25歳、早川くんも24歳だ。
死ぬには十分すぎるくらい歳をとった。
何かが起きてもおかしくない歳になった。
それを感じ、なんとなく彼に会わないと後悔するというか、また遊びたいなと強く思った。
20代半ばの大人らしい遊びなんてしなくていい。
またあの頃みたいに、中学生みたいに一緒にゲームしたり、動画を見たりして遊びたい。
そういう遊び方が何より楽しいし、僕ららしいと思う。
もしかしたら、何年も連絡を取らなかったくせになんだよと思われるかもしれない。
向こうはそれほど僕のことを特別視してないかもしれない、忘れてるかもしれない。
後悔するという気持ちを払拭したいエゴかもしれない。
僕だけが思い出を美化しているだけで、彼にとっては迷惑な毎日だったかもしれない。
けれど、僕にとっての早川くんは早川くんしかいなくて、何年も会ってないからこれからも会わなくていいやってことにはならないし、今こうして会いたいと思うきっかけができたのだから会えたらなと思う。
彼はどんな大人になっているのだろう。
どんな仕事をしているのだろう。
彼女はいるのだろうか。
話したいことも聞きたいこともだくさんあるけど、きっとまたゲームに気をとられてしまうんだろうな。
モンハン、持ってるかな。
持ってなかったら買わせればいっか!

P.S.
俺もTwitter経由で仕事ほしいーと言ったら、まずは自分の会社の仕事をしてくださいと友達に言われました。ごもっとも